「エンジニアリング志向の商社」として
当社は、会長自身が研究志向であり、オンリーワン企業を目指して今日までやってまいりました。個人経営の機械工具商から始まった当社は、発電所、変電所といった電力業界の機材や設備を取り扱う商社ですが、販売するのは一般の汎用品ではありません。例えば、バルブという製品ひとつをとってみても、当社は1、2社のメーカーさまでしか取り扱いがないないような特殊なバルブを販売しています。
また、商社ではありますが、メーカーさまと知恵を出し合い設計しながら販売する点で、一般の商社とは異なります。お客さまから受けたご相談を持ち帰ってメーカーさまと協議し、「こういうものがあります」という提案営業をする。お客さま、そしてメーカーさまと一緒に課題に向き合い取り組んできた、そんなエンジニアリング志向の商社だからこそ、メーカーさまに頼り切らない営業が可能なのです。
スピーディーかつきめ細やかな問題解決力で得られる信頼
「商社」にはどんなイメージがあるでしょうか。もしかすると、「仲介するだけの単なるご用聞き」と思われる方もいるかもしれません。しかし、当社は違います。当社の営業マンは一人一人がお客さま、メーカーさま双方の知識を有しています。お客さまとの打ち合わせの場でお困り事を聞けば、それにすぐ対応できるだけの引き出しがいくつもあります。深く理解し話し合うだけの知識があれば、メーカーさまとのつながりも密になるため、お客さまにご提案する際も自信を持って商品を勧めることができます。
また、知識量に裏付けられた問題解決の早さも当社の強みのひとつと言えるでしょう。これには、少数精鋭の会社であることも関係していると感じています。人数が少ない分社内の意思決定がスムーズで、仕事を進めやすいという利点があります。
私たちはお客さまのご要望に長年真摯に向き合ってまいりました。お困りのときに一番にご相談していただくことも多くなりました。「横田に頼めば間違いない」という、長年の信頼関係の賜物と自負しています。
日々の積み重ねがチャンスにつながる
開発も行う当社では、時代の流れを読みながら研究を進めています。売るための商品をつくっているので、時代の流れをつかむ、需要を知ることは重要です。しかしそれでもうまくいくかどうかはわかりません。
このたび製品化することになった一重項酸素を用いたシステムの脱臭・滅菌装置もそのひとつです。新型コロナウイルス(SARS-COV-2)の流行がなければ、製品化はできなかったでしょう。同じウイルスでも、インフルエンザウイルスの場合は一般の方々も季節性のものという認識ですから、それに対応する製品を出すには弱かったのです。そんな中でも私たちは小型のコンパクトな装置にできないかと研究を続けてきたところ、ちょうどニーズに合致したというわけです。
「チャンスの神様は前髪しかない」という言葉があります。突然やってきたチャンスをつかむには、チャンスが来たと気づいてから準備していては遅いのです。私たちがチャンスをつかむことができたのも、長年の研究の蓄積があり、製品化するための素地が整っていたからです。
人とのつながりを大切に
私たちは「こういうことで困っている」「こういうものはできないか」という人の声に耳を傾けることを大切にしてきました。その声が新しい製品開発につながることもありました。
例えば、牡蠣の洗浄のための海水電解装置をつくったことがあります。これは模倣品を安く売り始めた他業者に競争で負けてしまうという失敗の思い出でもあるのですが、ここで終わりではありませんでした。安価な製品を購入したお客さまが、その製品のことで困ったときに当社にご相談くださったのです。お客さまは私たちに知識があり、問題を解決する力があることをご存知だったのです。
人との関係を大事に、真摯に向き合ってきた私たちの姿勢が、関係をつなぎ直してくれました。
「つながり」といえば、私たちは長く広島大学と共同開発を続けています。大学の強みは「研究」、そして私たちの強みは「目利きができる」こと。商社としてエンドユーザーに近いところにある私たちには、人とのお付き合いの中で養われた目利きの力があります。この力は研究開発の場でも大いに役立っています。
さまざまな人とのつながりが今の横田工業商会を形作っているのだと感じています。